イソップ・カールくんとパパとわたし

 今日はインストール初日のことを振り返ろうと思う。

 

 と、その前に。

 「今週末第五人格をインストールすっか~」と思ったのが、確かその週の前半くらい。その思いをTwitterへとつぶやいた。フォロワー14人の鍵垢である。

 すると、嬉しいリプライが。

 

チュートリアル終わったら連絡ください!』

 

 やった!!!!

 なんと、インストール前から、仲間ができることを約束されたのだ。こんな幸せってあるだろうか。仕事の都合で引っ越す際、見知らぬ土地にひとりぼっちと思いきや、なんとお友達が住んでいた! みたいな喜びだと思う。たぶん。

 それと同時に、チュートリアルがあることを知る。

 そりゃあそうね。難しそうなゲームだし。むしろ、デビューしてすぐ戦場に放り出されても死んでまう。ちゃんとした新人研修は必須だろう。頼むぞ研修課。

 

 ということで、心がだいぶ軽くなり、無事にその土曜日にインストール、チュートリアルを開始した。

 

 めっちゃ三木眞一郎さんの声がする。

 

 ↑ この表記を紫色にしたのは、薄桜鬼の土方歳三が好きだからである

 やばい。スマホから良い声がする。でもセリフ量が多い。なんだこれは、すべて覚えておかないといけない設定なのか。

 素敵な朗読劇に酔いしれている場合ではなかった。

 なにやら複雑怪奇そうな物語を必死に聞く私。ホラーゲームであり、ミステリなのか。これから私は探偵業を営み、壮大な事件の犯人を当てないといけないのか。この最初の語りに重大なヒントが隠されているのだろうか。メモが必要か?

 

 いま思えば、「いや、実際にやるの鬼ごっこだから」という話だ。

 ストーリーはまぁ、別に。なんならもうわりと忘れかけている。でも、三木さんの声が良いことだけはずっと覚えている。

 

 さてさて、チュートリアルであんなことやこんなことを学び、とりあえず第五ワールドでの人権を得た。わけのわからぬままちょっと遊んでみた。そして、件の友人へと連絡をした。

 からの、嬉し恥ずかし初フレンド。やったー、いっしょに遊べるらしい。

 突然画面の左端に現れる「招待」。ハワアワワワワとか言いながら急いで押す。

 お次は、久しぶりのLINE電話。

「あ、お久しぶりです」

「お久しぶりです」

「元気ですか」

「元気です」

「このたびはありがとうございます」

「いえいえ、カスタムやってみますか」

「はい」

 おたくたち、敬語で話しがちである。

 そして始まるカスタム。なんと友達同士だけで引きこもれるらしい。よかった! 優しい世界だ!

 

 お友達はふたりいた。

 ひとりがハンター、ひとりがサバイバーらしい。

 私もサバイバーで入り、なんかシャレオツな教会にスッポーンされる。

 

 電話で場所を言い合いながら、なんとか合流。

 スリーディー?な世界をキャラクターが歩くって面白いね。

 

 教会のレッドカーペットで我を待っていたのは、

 

 あ、イソップ・カールくんだ!!!!(知ってる!!!!)

 

 マスクのイケメンである。第五人格で知っている、数少ないキャラクターのうちのひとりだ。納棺師をしているそうだ。大きなカバンを持っている。イケメンである。

 そして、もうひとり。

 

 あ、なんか、肩幅が、大きい!!!!

 

 確かチュートリアルや初心者なんちゃらで見たひとである。新人研修の講師的な存在に思える。つよそう。カレー好きそう。

 

 雑談をしながら、そのへんをくるくる散歩する、私とイソップと肩幅。

 すると突然イソップくんは言う。

 

「あ、納棺してみましょうか!?」

 

 ……。

 え、わたし死ぬの????

 

 よくわからんが、「お願いします!」という。なぜか運動部のノリである。

 するとイソップは嬉しそうにはにかんで(幻覚)、こう言ったのであった。

 

「じゃあパパ! お願い!」

 

 ……。

 え、その肩幅の大きいひと、イソップのお父さんだったの????

 パパも納棺師なのか? え?

 

 私の混乱をよそに、こちらへ歩いてくるパパ。

 いそいそと、なにか準備を始めるイソップ。

 

 なああああああああああああああああああああああん!!??

 

 イソップのパパにぶん殴られる私。

 なんやねん! なんやねんこれ! あーーーーーッ

 

 

 

 

 この後、私は無事に椅子から棺桶に復活し、「納棺師さんカッケェー!!」と叫ぶのであった。たのしかった。

 このときのスクショは、いまも大切に保存している。

 

 ありがとうイソップ、パパ!(後日、エマちゃんのパパだと知る)

 

 

 

 

 次回、「曲芸師マイク・モートン、キミに決めた!」